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VII - ソンネフェルト邸の内部: ロッテルダムが誇る、機能主義デザインのマスターピース
希少性が高く、且つ保存状態も良いことで知られる機能主義建築のソンネフェルト邸。同邸宅は、RIMOWA が体現する「機能性を備えたデザイン」という哲学と共通点を見出すことができる存在です。 インスピレーションに満ちた建築物を探求し続けるメゾンとして、RIMOWA はデザインの驚異ともいえるこのオランダの住宅を訪問しました。
ロッテルダムの中心部に位置するこの邸宅は、2 人のオランダ人建築家、ヨハネス・アンドレアス・ブリンクマンとレーンデルト・ファン・デル・フルフトによって 1933 年にデザインされました。シンプルさと実用性を根底に持つインターナショナル・スタイルをオランダ流に解釈し「Nieuwe Bouwen」(新しい建築)のビジョンを体現しています。 ソンネフェルト家のために建てられたこの住宅は、当時のスタンダードをはるかに超越していました。 2 人の建築家は、機能主義の理想に則りながらも、実用性が高くデザイン性にも優れた、クローム、スチール、ガラスや鉄筋コンクリートといった材料を使用しました。 また、自然光、空間を最大限に活かすデザインが取り入れられており、大きな途切れのない窓を採用しすることで「Nieuwe Bouwen」(新しい建築)スタイルの特徴であるオープンで風通しの良い雰囲気を創り出しています。
ソンネフェルト邸はインテリアにおいても、建築様式と同じ機能主義の原理を体現しています。 入念に選ばれたあらゆるディテールと家具は、現代生活のニーズに応えるものです。 ソンネフェルト家のニーズや趣向に合わせて作られたひとつひとつのオブジェクトは建物の構造とシームレスに溶け込み、どこにも無駄のない空間として全体が調和した、一貫性のある空間を生み出しています。 照明のスイッチやドアハンドルといった細かな部分も細心の注意を払い選定され、邸宅の機能主義哲学を完成させています。そこには、抑制と洗練を対等なものとして扱う姿勢が垣間見えます。
機能主義はしばしばモノクロームに偏りがちですが、ソンネフェルト邸は色彩を大胆に取り入れています。 それぞれの部屋は、柔らかなパステルカラーと鮮やかなカラーとのパレットで構成されています。赤、青、黄色のさまざまなシェードが、ライトグレーやダークグレー、ブラウンと組み合わされています。これらは、 当時では珍しい色彩のパレットで、色はそれぞれのスペースとその目的を差別化し、同時にソンネフェルト一家の個人的な好みを完璧に反映しています。
「Nieuwe Bouwen」(新しい建築)において最も保存状態が良い作品のひとつとして有名なソンネフェルト邸は、1930 年代の本来の状態を細部に至るまで復元することを目指し、2001 年に綿密な修復が施されました。 ニューエ・インスティテュートとフォルクスクラフト財団のサポートを得て、同邸宅は現在はミュージアムとして運営されています。目的意識に基づくイノベーションとモダンな生活が重視された時代に戻ったかのように感じさせるこの建築物は、多くの来館者を魅了しています。 ソンネフェルト邸の時代を超えたデザインの影響力は現在も衰えず、連綿と続く機能主義のインパクトを伝える生きた証拠となっています。
写真撮影:サイモン・メンゲス
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VII - ソンネフェルト邸の内部: ロッテルダムが誇る、機能主義デザインのマスターピース